平和の温故知新@はてな

ライトノベル関連のニュース、感想、考察などを書いていました。管理人まさかの転職により2013/04/06を持って更新停止。……のはずが、たまに更新されることも。

何度目かわからないけど「ライトノベル市場規模」の話

ちょっと「ライトノベルの市場規模」についてまた気になったので軽く書き残してみます。
現状認識の再確認みたいな感じなので、ツッコミ歓迎ですが可能な範囲でデータも欲しいところ。
また特に注意して欲しいのですが、各リンク先データの信頼度についてはまったく保証できません
同じ「市場規模」という言葉を使っていても、算出方法などは全然違うと思います。
ただでさえあやふやな数字なのに、色んなとこから引っ張ってきてるから、相当怪しい内容だと思ってください。


日本の出版統計
信頼できそうなデータ。ラノベ単体でどうこうではなく、まずは比較用に。


ぐぐる先生に聞いて出てきた2chラ板の「ラノベの発行部数」スレ

525 :イラストに騙された名無しさん:2007/03/24(土) 23:34:28 id:E7YhM1r8
ttp://www.shoten.co.jp/nisho/bookstore/shinbun/view.asp?PageViewNo=5675
ライトノベル市場については「2006年の売上げは3百億円規模で、
> 教養新書百数十億円の2倍以上のマーケット。


>>318
ttp://www.kyotocitylib.jp/kisyoin/kantyou/no12.html   < 2005年9月2日
> 昨年のライトノベル文庫の新刊発行点数は1347点,総発行部数は2000万超,
> 年間市場規模は265億円に上るとされています。


>>360
ttp://www.yomiuri.co.jp/book/news/20061107bk05.htm
> 出版科学研究所の昨年の調査では、新書版などを含むライトノベルの新刊点数は年間2179点、
> 売り上げ265億円(推定)。すでに飽和状態、過当競争気味とも言われる中、新規参入レーベルに勝算はあるのか。


ラノベの市場規模は、2004〜2005年は265億円、2006年は300億円?
2006年は、少しだけ市場規模が大きくなったということなのかな?


「雑誌『創』のライトノベル記事と市場規模とかシェアの話」
ウチの過去ログ。ここでも市場300億円くらい、となっている。


総合すると短期的には増加してるっぽいんですが、それより以前がよくわかりません。
レーベルごとの内訳なんてもっとわかりません。
スレイヤーズ全盛期はもっと凄かった」的な言説はいくつか拾えるものの、データが見当たらないのでなんとも。
ちょうどあざの耕平氏が講演会で似た趣旨の発言をしてたらしいんですが、これもデータが示されたわけでは無いんですよね。


ちなみに「ケータイ小説」の市場規模は182億円らしい。
・・・ケータイ小説が書籍化した際の売上って、やっぱり書籍全般の市場規模金額に含まれるんだろうなぁ。
どこかのメディアで、ここだけ抜き出して数値化してくれないかな・・・

追記
TBを受けて気づきました。
182億円という数字は「ケータイ小説」ではなく、電子書籍全般のものでした。
「ケータイ向け電子書籍」(おそらくコミックなど含む)だと112億円。
ケータイ向けが約82億円という記述もあるので、差し引きおよそ30億円がいわゆる「ケータイ小説」の市場規模と思われます。


さらに各種分野ごとの市場規模一覧も。
野村総研が出してる一覧もあるんだけどこっちは数字が少なすぎる気がする)
ここにライトノベルは入ってない・・・と思われます。もしかするとコミックに合算されてるかも。

いったんまとめ

とりあえず市場規模順に並べると、
「マンガ>ゲーム>アニメ>>>>>ライトノベル
という認識で概ね良いんじゃないかと思います。
以下のような言説には注意したいところ。


■「ライトノベルは市場規模が拡大している」
→?(詳細不明)
ここ数年だけなら正しいかもしれないが、昔がどうだったのかわからないために長いスパンで見ると「縮小した」状態である可能性がある。
よく言われるように出版業界全般でみるとあまり良い状況ではない。
マンガ(雑誌除く)・ライトノベル・書籍版ケータイ小説は出版業界の中ではマシな分野かも。
マンガは雑誌だけみると縮小傾向なものの、コミックスが高い水準で推移しているっぽい。


■「いまライトノベルはブームだからマンガやアニメより勢いがある」
→×(たぶん違う)
それっぽく見えているだけで、実際には市場規模そのものに大きく差があると思われる。
同様にユーザー数的にも相当な差があるはず。
多少元気が無かったりしても、基礎体力が違うものを一概には比べられないということで。


この状況で「ライトノベル市場は・・・」みたいなことを語るのって、手札全部伏せたままポーカーとか麻雀するようなものですね。
ある程度認識はありましたが、再確認でした。
たまに自戒しとかないと、間違えそうなのでこうやって記事にしてみました。


5日追記
最初に紹介した出版研究所のコラムでライトノベルに触れた記事を紹介するのを忘れていました。
こっちによると2006年の推定販売金額は344億円だとか。これはイコール市場規模の金額なのか不明。
近々、ここラ変に詳しそうな人に会える予定なので、その時に聞いてみたいところ。
最後に一つ、コラムから引用

女性向けのボーイズラブ(男性間同性愛)小説、少女小説、成人向け美少女ものなどを含めて広く〈ライトノベル〉とする見方もある。

・・・それは無茶じゃないか?(汗