「このライトノベルがすごい!2008」雑感 最終回
- 作者: 『このライトノベルがすごい!』編集部
- 出版社/メーカー: 宝島社
- 発売日: 2007/11/21
- メディア: 単行本
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「このライトノベルがすごい!2008」雑感 その1
「このライトノベルがすごい!2008」雑感 その2
コラム・総括記事編
今回もコラム・総括系記事の構成はそう変わらず。
ジャンル別ガイドの穴埋め的なミニコラムと、数ページ使った2007年の総括記事です。
それに今年は新城カズマ氏による1Pコラムが新しく追加されたくらいでしょうか。
■新城カズマ「軽文学、軽文学、応答せよ」
内容はいつもの・・・と言えるくらいには見慣れた新城氏の軽文学(ライトノベル)論。
時事ネタとして
「ソノラマ休刊」「小畑イラスト版『人間失格』」「魔法のiらんど」「武林クロスロード」
くらいをネタにしていました。
「ライトノベル「超」入門 [ソフトバンク新書]」をざっくり1ページに収めたように感じました。
興味がある方はむしろ↑のほうを読んでみるといいかも。
■ミニコラム集
「シュピーゲルシリーズ解説」
「性転換&異性装もの解説」
「ポリフォニカシリーズ解説」
「ガンダム企画本解説」
それぞれ、見出しの通りの内容です。
ジャンル別ガイドと組み合わせてあるので、新規読者獲得の助けになりそう。
メイン企画のランキングで不遇だった作品もカバーできるし、うまいチョイスだと感じました。
まぁ上から二つ目は趣味に走りすぎてる気がしないでもないですけどね(笑
■2007年総括記事
今回の記事のメイン。毎年行われている総括なので、今年も楽しみにしていました。
最初のレーベル創刊&休刊&廃刊の話題は事実の確認なので特筆事項なし。
唯一、新情報である一迅社に関する言及は興味深かったです。
またちょうど今日取り上げた「GAMECITY文庫」への言及は無かったわけですが、
これは「知らなかった」のか「知っててスルーした」のかがちょっと気になるところ。
続いてハードカバー・ソフトカバー進出やライトノベル指南書にも言及。講談社BOXにも触れており、改めてみると文庫レーベル以外の話題も多かったことを実感しました。
ここまで来てようやく、メディアミックス作品の話題に。
ただし個別の作品名はちょっと少なめで、ここら辺は去年よりおとなしめだったかも。
新人・新作の話題もあまり無かったですが、これはまぁランキングの方で補完できるという見方もできますね。
幾つかのシリーズ完結にはちょっと触れて欲しかったかも。
これらを踏まえ、「ライトノベルの拡散」とでも言うべき今後の期待を表して今回の総括記事は終了でした。
全体的にあまり癖がなく、読みやすい記事という印象でした。
「このラノ2008」まとめ
今年の見所はなんといってもランキングだったと思います。
webからの投票数が増えたことで得点バランスに変化があり、それが結果にも影響していました。
ここ数年を見る限り、このバランス維持こそがとても重要だと思います。
あまり売上・知名度が反映されすぎるとランキングの変動が少なくなってマンネリ化するでしょうし、
協力者・目利きの得点配分が多すぎると実際の人気とは違った結果になりかねません。
昨年は目利きの力が強く、今年は読者の声が盛り返したのなら、来年もどちらに転ぶかわからない状態を楽しむことが出来そうです。
「未読の名作」を紹介する役割も果たしつつ、単なる売上ランキングにならない独自のランキングを来年も見せてくれることを期待しています。