感想

断章のグリム〈1〉灰かぶり (電撃文庫)

「Missing」シリーズで鳴らした電撃きってのホラー作家。
新シリーズはやはりメルヒェン系で行くのだなぁ、と思っていたら学園異能らしい。
ちょうどゐんどさんにご指名されたこともあり購入。遅くなりましたがそこは勘弁してください（笑

うーん。こりゃ確かにまんま学園異能っすね。
リンク先で指摘されているように日常描写少な目ですが、
クラスメイトの女の子が巻き込まれるあたりとか、やはり意識してるかと。

とはいえ、この本のメインはあくまで「メルヒェン」が書きたかったのだろうなぁ、という印象。
異能云々は単にただの器でしょう。
かつて、電撃の缶詰で「メルヒェン」について力説していたので、
やはりそっち方向を志向しているのだと納得できました。
この方向性はおそらく中高生のストライクゾーンなので、ある意味とても電撃文庫の似合う作家さんだと思います。
しかしまぁ、描写の痛いこと痛いこと。
Missingでもキツかったのですが、こっちもかなりキツかった・・・
思わずナナメ読みしてしまう箇所が2箇所くらいありました。

ちょっと小耳に挟んだところによると、Missingファンには不評らしい。
なんとなく理由はわかる気がするけど、ここから「どう化けるか」にこそ期待したい。
物語論や童話の元ネタ薀蓄も、軽く読むには割といいです。
「本当は怖い童話」ネタに興味あって、シャナとかに拒否反応が無いならオススメ。
ただし、残酷描写苦手な人には絶対にオススメしません。注意。