幾つもの謎について考えるのが楽しい「それがるうるの支配魔術」2巻感想
それがるうるの支配魔術 Game2:リメンバランス・パズル (角川スニーカー文庫)
- 作者: 土屋 つかさ,さくらねこ
- 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日: 2011/07/30
- メディア: 文庫
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今回登場のアナログゲームは少し前から人気のある、あのドラフト系作品でした(まずそこかよ
しかし、説明があっさりだったので未プレイの人はどんなゲームなのかわかりにくいかも・・・
とまぁ、前置きはこのくらいで。
「ルールを書き換える」魔術の存在する世界観での学園日常もの、しかも主人公は「魔術が書き換えたルールを見破れる」という能力持ち。
設定だけだと激しいバトルものを想像する方もいるかもしれませんが、
むしろ「日常のちょっとした謎」に「一定のルールを持つ魔術」をプラスしてるくらいで、
あとは普通の学園ものと言えるかもです。
ヒロインのるうるが小動物的可愛さで素敵なのと、
全体に散りばめられた伏線の意味を考えるのが楽しいところ。
以下、ネタバレ含むので格納
まずツッコミ。2巻にして男キャラから個別エピソードかい・・・!
ハルヒでいったらいきなり古泉メインですよ。
これは若干表紙詐欺のような気がしないでもない(苦笑
お話的には1巻で示された各キャラの背景のうち、碓氷のバックボーンが判明。
てっきりるうる絡みでなにか抱えてると思いきや、
違う方面の「訳あり」だったんですね。
6つの謎を始め、色々と頭をひねる箇所が多いのがこの作品の特徴ですが、
誰がゲームの仕掛け人なのか、に関しては全然わからずに最後まで読んでしまいました。
とはいえ、細かい箇所では「あれ、これ伏線?」みたいな予想があたったところもあり、
読んでいる間は結構な楽しさがあります。
そしてこの作品、「るうるの兄がどうなったのか&10年前に何があったのか」がシリーズ最大の謎なわけですが、これが簡単に明かされちゃうとなんかもったいない気も。
個別エピソードも綺麗にまとまっているため、
ひたすら10年前の件を追わなくても読めてしまうのが興味深いというかなんというか。
そして前回に続き、今回もヒキがうまいんですよね。
見覚えのある人名に目がいったと思ったら、いきなり新事実が判明して虚をつかれる、という終わり方でした。
順当にいって次は言乃メインなわけですが、このキャラも結構色々な面を見せてくれそうな気配もあり、今後が楽しみです。