紫色のクオリアから始まった「ライトノベルの限界」に関する誤解
紫色のクオリア読書会とライトノベルの限界? な話(Nth Library日記)
数日ネットから離れてたら気になるエントリがあったので。
議論してた人たちの間で認識のすり合わせは済んでいるようなので、個人的に思ったことなど書いてみます。
この話題のきっかけになった読書会には私も参加してたんですが、
要するに下記2点の主張があったという認識でした。
ライトノベルには限界がある
ただしここでいう限界とは「商業的」な制約のこと。
(例「SF要素が強すぎると売れない」)
ライトノベルには限界はない
ただしここでいう限界とは「作品内容」についてのこと。
(例「特定レーベルから出てれば中身がなんであれライトノベル」
この二つ、両方にそれぞれ頷ける部分があるんですよね。
カテゴリエラーで売れずに打ち切られたり、別レーベルから再刊された作品もあれば、
ライトノベルと呼ばれるレーベルから出てるのに、ふだんラノベを読まない人でも楽しめる作品があったりもします。
「限界なんてないんだよ」という主張も「限界はあるよ」という主張にも、どっちも一面では正しいように思います。
余談
とはいえ「紫色のクオリア」は電撃文庫の作品なので、ここからもっとSF作品に触れてもらうのは難しいですよね・・・
ぶっちゃけ、早川などの他レーベルにお客さんを連れていくことにもなりますし。
ですがふと気付いたのですが、このアプローチを試みている良い例が直近にありました。
DRAGON MAGAZINE (ドラゴンマガジン) 2009年 11月号 [雑誌]
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今月発売のドラゴンマガジン、書評欄にて「紫色のクオリア」が紹介されています。
その文末には作品を楽しむためとして、以下の4作品が挙げられていました。
- 作者: 小林泰三
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 1999/04/08
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- 作者: アルフレッド・ベスター,寺田克也,中田耕治
- 出版社/メーカー: 早川書房
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- 作者: グレッグ・イーガン,山岸真
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- 作者: テッド・チャン,公手成幸,浅倉久志,古沢嘉通,嶋田洋一
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中高生が多いであろうドラマガで、こういった試みがあるのは良いことだと思います。
ここからもしかするとSF読みになる人が出る・・・のかも。
とはいえ「いきなりイーガンは無茶」なんて意見もありますし、私には無理ですが誰かが
「紫色のクオリアから始めるSF入門」
みたいなエントリ書けばいいのになぁ、と思いました。