平和の温故知新@はてな

ライトノベル関連のニュース、感想、考察などを書いていました。管理人まさかの転職により2013/04/06を持って更新停止。……のはずが、たまに更新されることも。

紫色のクオリアから始まった「ライトノベルの限界」に関する誤解

紫色のクオリア読書会とライトノベルの限界? な話(Nth Library日記)


数日ネットから離れてたら気になるエントリがあったので。
議論してた人たちの間で認識のすり合わせは済んでいるようなので、個人的に思ったことなど書いてみます。
この話題のきっかけになった読書会には私も参加してたんですが、
要するに下記2点の主張があったという認識でした。

ライトノベルには限界がある
ただしここでいう限界とは「商業的」な制約のこと。
(例「SF要素が強すぎると売れない」)

ライトノベルには限界はない
ただしここでいう限界とは「作品内容」についてのこと。
(例「特定レーベルから出てれば中身がなんであれライトノベル


この二つ、両方にそれぞれ頷ける部分があるんですよね。
カテゴリエラーで売れずに打ち切られたり、別レーベルから再刊された作品もあれば、
ライトノベルと呼ばれるレーベルから出てるのに、ふだんラノベを読まない人でも楽しめる作品があったりもします。
「限界なんてないんだよ」という主張も「限界はあるよ」という主張にも、どっちも一面では正しいように思います。


余談
とはいえ「紫色のクオリア」は電撃文庫の作品なので、ここからもっとSF作品に触れてもらうのは難しいですよね・・・
ぶっちゃけ、早川などの他レーベルにお客さんを連れていくことにもなりますし。
ですがふと気付いたのですが、このアプローチを試みている良い例が直近にありました。

DRAGON MAGAZINE (ドラゴンマガジン) 2009年 11月号 [雑誌]

DRAGON MAGAZINE (ドラゴンマガジン) 2009年 11月号 [雑誌]


今月発売のドラゴンマガジン、書評欄にて「紫色のクオリア」が紹介されています。
その文末には作品を楽しむためとして、以下の4作品が挙げられていました。

玩具修理者 (角川ホラー文庫)

玩具修理者 (角川ホラー文庫)

万物理論 (創元SF文庫)

万物理論 (創元SF文庫)

あなたの人生の物語 (ハヤカワ文庫SF)

あなたの人生の物語 (ハヤカワ文庫SF)

中高生が多いであろうドラマガで、こういった試みがあるのは良いことだと思います。
ここからもしかするとSF読みになる人が出る・・・のかも。
とはいえ「いきなりイーガンは無茶」なんて意見もありますし、私には無理ですが誰かが
紫色のクオリアから始めるSF入門」
みたいなエントリ書けばいいのになぁ、と思いました。