平和の温故知新@はてな

ライトノベル関連のニュース、感想、考察などを書いていました。管理人まさかの転職により2013/04/06を持って更新停止。……のはずが、たまに更新されることも。

重版がかかった川上稔の「都市シリーズ」を改めて紹介してみる

川上稔「都市シリーズ」重刷?(気が向いたらのライトノベル週報)


上記記事で触れられていた都市シリーズの重版について、知人から情報を頂きました。
「都市シリーズ一挙重版!」「4年ぶりに重版決定!」
ってな感じで、書店向けFAXが出ていたようです。6月上旬以降順次出荷だとか。


この都市シリーズ、全部合わせると相当な分量になりますし
良い機会なので簡単に各作品の紹介などしてみようと思います。

「機甲都市 伯林」シリーズ

パンツァーポリス1935 (電撃文庫 か 5-1)

パンツァーポリス1935 (電撃文庫 か 5-1)

「パンツァーポリス1935」は川上稔氏のデビュー作。
「機甲都市伯林―パンツァーポリス1937」はその続編にあたります。
前者は主に航空戦艦大活躍な話、後者は主に人型ロボット「騎」とヒロイン大活躍な話。
1937から読んで問題はないですが、1935読んでおいたほうが楽しめます。
全部で6冊になるのでちょっと重め。そのぶんどっぷり浸かれます。

「架空都市 倫敦」と「風水街都 香港」

エアリアルシティ (電撃文庫―都市シリーズ (0190))

エアリアルシティ (電撃文庫―都市シリーズ (0190))

題名には入ってないけど「エアリアルシティ=架空都市 倫敦」だと思ってください。
電撃では珍しい、表紙差し替えが行われた2作品。
今回の重版で出回るのはこっちだと思いますが、古本屋では旧版を見ることもできるかも。
この2作は続編関係というわけでないので、読む順番もおまかせ。
倫敦は天使とか魔族と人間がドンパチする話。自動人形萌えだとより楽しめます。
香港は「音楽と時間」がキーワードとなるシリーズ中屈指の面白さと難解さを誇る作品です。
この2作品はやや難易度高めですが、「都市シリーズらしさ」も存分に味わえます。

「奏(騒)楽都市OSAKA」「閉鎖都市 巴里」「電詞都市DT」

比較的読みやすいんじゃないかと思う3作。
OSAKAの格闘ゲームっぽい部分や、TRPG的な「判定」の描写などは、
慣れると結構スイスイ読めます。
ヒロインの夕樹はデレがほとんど無いのが魅力。
ゲームもありますが、こっちはこっちで不思議なテイストです。
ニコニコにプレイ動画とかあったはずなので詳しくはそっちを。


巴里は「自動人形」と「騎」のお話。
刊行順的な話をするなら、「騎」についてはこっちが初出。
作品を通して日記や手紙の形で物語が綴られる。
あと「1944年の1年間を繰り返す都市」という単語にピンと来るならオススメ


DT=デトロイトは「情報」がキーワード。
チャットっぽい表記とかブラウザのリロードに近い描写とか、ネットに馴染んでれば読みやすいんじゃないかな、と。
某所あらすじによれば「体育会系の人間がどーいうプロセスで18禁ゲームにハマるか」というお話。
だいたいあってる?

おまけ「創雅都市S.F」「矛盾都市TOKYO

こっちは電撃文庫じゃなく、通販本なので入手にちょっと気合がいりますが、
これを欲しがるくらい中毒になったら多少の手間は乗り越えることでしょう(笑
S.F=サンフランシスコは一通りの都市シリーズ読了後に触れるとニヤニヤできます。
主に香港と巴里あたりが関連強めかも。イラスト多めで幸せになれます。
TOKYOは当然のごとくOSAKAとのリンクあり・・・かと思いきや、ゲーム版とのほうが繋がり強め。
夕樹さん出るからOKだけど。
私の知ってる範囲では屈指の時系列シャッフルっぷりを誇る作品でもあります。

まとめ:読む順番は?

既に終わクロ全巻読破しちゃってるような人なら刊行順で問題ないはず。
最近知りました、って人なら上下巻構成になってる奴が比較的読みやすく、お試しに向いてると思います。
個人的には「奏(騒)楽都市OSAKA」を推奨。
あと、今回のエントリよりよっぽどしっかりした情報が「川上稔作品大全」というファンサイトなどで読めます。
境界線上のホライゾン」からのひとも「終わりのクロニクル」からのひとも、
この機会に「都市シリーズ」に触れてみてはいかがでしょうか。


・・・え、境ホラ2を読むので手一杯?
そりゃそうですよねー・・・(苦笑