平和の温故知新@はてな

ライトノベル関連のニュース、感想、考察などを書いていました。管理人まさかの転職により2013/04/06を持って更新停止。……のはずが、たまに更新されることも。

電撃文庫の気概と、「ライトノベル」というラベルと、不毛な定義論の話

ライトノベルの定義論争と、電撃文庫がライトノベルという言葉を使わないこと


自分が閲覧しているサイトで自分のサイトを取り上げられることはたまにありますが、まさかこの方からTB頂けるとは思いませんでした。「とある魔術の禁書目録(インデックス)ノ全テ」のコラムも拝読させていただきましたし、サイトのほうも拝見していました。担当されている「とある科学の超電磁砲」「狼と香辛料」などは単行本も買わせて頂く予定です。本記事の内容とは関係ないですが、陰ながら応援しております。
今回は私の記事にどうこう、という内容ではなかったので私のほうでも思ったことをつらつらと述べてみます。

電撃文庫の編集者は「ライトノベル」というラベルを貼られるのを嫌っているのか

これはたぶん事実なのでは。2004年発行の「ライトノベル完全読本 (日経BPムック)」で各レーベルの編集長インタビューがありましたが、ここでも「ライトノベルというくくり、もっというならば電撃文庫という枠さえ突破して、もっと読者層を拡大していきたい」と述べられています。他のレーベルと比べると明らかに「ライトノベル」と言う単語を意識しているように感じます。
(まぁ、編集部の担当でないっぽい部分ではそこまで気にせずに「No.1ケータイ小説サイト × No.1ライトノベルブランド『魔法のiらんど文庫(仮)』 創刊決定のお知らせ」というリリースを出していたりもしますが)
反対に非角川系の新規参入レーベルは「ライトノベル」というラベルを進んで使っているように感じられるところも面白いですね。

電撃文庫は既存の枠を超える作品作りを目指している?

全くその通りだと思っています。ざっと思いつくところだけでも「単行本戦略」「イラスト無し作品」「セルフパロディ本」などなどの特色ある活動を積極的に行っていると感じます。高水準の定期刊行作品群に加え、このあたりの努力も惜しまないからこそ電撃文庫はシェア1位を維持しているのではないでしょうか。

電撃文庫だから」という理由で、ライトノベルと呼んでいいのか

うーん、これはもうそういう風に周囲から認識されているっぽいのでどうしようもないような。
やはり判りやすいラベルはあると便利なので、本人たちの意思は無視して不本意な呼ばれかたをすることもあると思います。それこそ2004年ごろの解説本ブームの頃が拒否反応のピークだったと考えています。
合わせて「自分たちが意識していないことにラベルが貼られていくことに対する、違和感みたいなもの」については大なり小なりオタク業界ではありえることなんじゃないかと。「ツンデレ」とかいい例じゃないでしょうか。

定義論とかその辺

私はサイト開設してもう数年経ちますが、これまでにも何度もライトノベルを定義しようとする論争があったように記憶しています。昔は私もいろいろ書いていましたが、ネットの議論は結論を出すのが難しく、ヨタ話の領域を超えられませんでした。最近は「無理に定義することないかな」と感じています。ただ2chラ板由来の「あなたがそうだと〜」だと解釈の自由度が高すぎるのでその都度ごとに仮の定義を行えばいいかな、と。各人の意識の違いを可視化できれば・・・と思って書いたのがTB受けた記事だったりします。
この内容自体、もう何度か書いた&読んだ気がします・・・(汗


ちなみにUSA3さんは「とりあえず全員「ライトノベル『超』入門」を読もう。話はそれからだ。」と以前に書かれていましたが、私は更にライトノベル完全読本1〜3も読むことをお勧めします。特に2の「賀東昭二×新庄カズマ対談」は何のために議論するのか判らなくなった時によく効くかと。