平和の温故知新@はてな

ライトノベル関連のニュース、感想、考察などを書いていました。管理人まさかの転職により2013/04/06を持って更新停止。……のはずが、たまに更新されることも。

更科修一郎氏が書いた「ひぐらし」書評が濃い

『まんたんブロード』40号(CutePlus-Blog)

軽快にして平易な文章は変わらず、前衛性と自身の内面を重視する〝文学〟とは一線を画している。だが、読者を翻弄し、行き先の分からない物語は、読者の要求通りにハッピーエンドを約束する昨今の〝ライトノベル〟でもない。
 (中略)
 ゲームを原作とした小説だが、日本では他人や社会を物語として捉える近代小説の位置にマンガやゲームがある。キャラクター描写だけでなく、物語面でもそれらの強い影響を受けた本作はむしろ、近代小説の正統な末裔と言えるかも知れない。

紙面に載ったほうは改稿されているそうで、リンク先では入稿時の原稿が公開されています。確かに比べて読むとかなり変わっていますね。読みにくい漢字をひらいていたりするのは普通だと思うんですが、幾つか文脈の変更があったのは気になりました。その辺もあって更科氏も原稿の公開を行ったようです。
どちらの原稿も共通してひぐらしを普通のライトノベルにカテゴライズしていないあたりが印象的でした。
媒体も増えた「ひぐらし」を語るのはいろいろ大変なことだと思うのですが、いずれ講談社BOX版がまとまった頃に「小説版」についての書評も読んでみたいと思いますね。