「神様のメモ帳」のアリスが持つ「ある要素」に関して
- 作者: 杉井光,岸田メル
- 出版社/メーカー: メディアワークス
- 発売日: 2007/06/01
- メディア: 文庫
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杉井光の11月の新刊が『神様のメモ帳』ではないことを知って愕然としつつ、電撃hpに掲載された短篇の感想文を書いてみる
ミステリとか謎とかとは関係ない見所もいくつかある。ベッドの上に腹這いになった無防備なアリスに藤島鳴海が近寄り、「ナルミ、早く早く」と急かされて彼女のハイソックス*2にそっと手を伸ばすシーンなど圧巻だ。少年はこうやって大人になっていくのだなぁ。
*2 ニーソックスのほうがよかったのに……。
この記述を読んでふと違和感を覚えた。この文章の中には明らかなミスがあるからだ。
安眠練炭さんほどの人がこんなミスをするなんて・・・!
ということで、驚愕の詳細は「続きを読む」へ
ちなみにリンク先で「神様のメモ帳」シリーズの浮沈についても言及されている。
そういえば2巻は微妙に品薄気味だったようだ。Amazonだと新刊は品切れになっていた(9月5日時点)し、こちらの情報だと8月25日時点では「出版社在庫無し、重版未定」になっていることがわかる。
(まぁ他のネット書店だと楽々買えるのだけど)
とりあえず既刊の増刷が決定したのはめでたいことだ。
今回の新作予告は打ち切りパターンに近いものがあるが、個人的には違うんじゃないかと思っている。
閑話休題、問題なのは脚注だ。
安眠練炭さんは「ニーソックス」と書いているが、これは正しくない。
「神様のメモ帳」作中で公開されている幾つかのイラストを見ると、アリスが着用しているのはサイハイソックスと呼ばれる靴下なのだ!(一例)
この辺りの呼称に関してはウィキペディアの「ニーソックス」の項目や「サイハイソックス」の項目が詳しい。
・・・まぁ、使用例は圧倒的に「ニーソックス」のほうが多いし、より語感と正確さのバランスをとるなら「オーバーニーソックス」くらいの表記が妥当なのかもしれないが、まさか安眠練炭さんほどの方が間違えるとは思えなかったのだ。きっと何か深い意図があったのだろう。
そして、ここでまたもうひとつ疑問が浮かぶ。
この記述の元になった電撃hpの短編でもやはり「ハイソックス」という記述があるのだが、前述しているようにアリスが着用しているのは基本的に膝上までカバーする靴下、つまり「オーバーニーソックス」なのだ。このときだけ「ハイソックス」を着用していたとは考えにくいし、挿絵でも目測する限り膝上までカバーするソックスが描写されているように見える。そうすると残念ながらイラストと本文が一致していないことになる。もしかすると短編集として文庫収録される際にはひっそりと本文が「ニーソックス」(注:ここではオーバーニーのことを指す)に書き換えられていたりする・・・かもしれない。
余談
「絶対領域」という概念がある。アレはいいものです。しかしこの概念は「ロング丈のメイド服」と同時に楽しむことのできないのである。非常に微妙かつ複雑な関係であり、この二つを共に好むものにとっては非常に悩ましい問題だったりする。それだけ。