平和の温故知新@はてな

ライトノベル関連のニュース、感想、考察などを書いていました。管理人まさかの転職により2013/04/06を持って更新停止。……のはずが、たまに更新されることも。

「図書館内乱」感想

図書館内乱

図書館内乱


狼と香辛料」より面白い。(個人的意見)
(支倉先生すみません。狼と香辛料も大好きです。)


今年のラノベ界隈で最高級のシリーズだと思います。
このシリーズのお題は「軍隊・恋愛・図書館」なのですが、
これはつまり各方面にガッチリ訴求できるわけで。
しかも、軍隊みたいなとこで恋愛描かせたら右に出るものがいない作家さんがこれを書くわけで。
3つのお題が好きそうな方なら満足していただけると思います。


内容は順当に前回の続きから。
どうもシリーズ化が確定したらしく、主に人物描写を中心に話を広げています。


個人的には早く実写映像化して欲しいものです。
(ふと思った、堂上は柳葉さんあたりハマるんじゃなかろか)
そして、今回のカバーイラストも見事な出来。
読んだ人にしかわかりませんが、ニヤリとさせられました。
一番判りやすい「レインツリーの国」ネタは、本編ともガッチリ繋がっています。
あとがき読む限り、こっちで使ったネタで一冊書いたみたいですね。
つか半年で2冊書いたのか・・・


追記
某チャットで前作の評判があまりにも悪いので、表現を下方修正。
ついでにちょこちょこ追記。


以下、ネタバレ含む詳細感想




まず、シリーズ化確定したらしいのが何より。
1冊目がそれなりにいい結果を残したということだろう。
シリーズ化が確定したのを踏まえて、落ち着いた展開のさせ方だったように思う。
サブキャラにも見せ場を作りつつ、本筋カップルも疎かにしない見事なもの。
しかしまぁ、柴崎さんにあんな追加設定とはなかなか飛ばしてますな。
でも説得力の補強としては上手い。実質ジョーカーの手札だったしなぁ。
今回のオチは溜めに溜めた例のネタで、次回への引きも満点。


ざっと前作と比べると・・・
アクション要素→低下
ラブ(コメ?)要素→増量
図書館ネタ→やや増量
という感じ。
設定的にかなり無理している部分は慎重に避けた感じ。
ただ、シリーズの最後にはダイハード級のでっかいアクションが待っていると期待。


各エピソードの選択はちょっと唐突な気もするけど、
前述の三つのお題から外れるものは無いので無問題。
「書評サイト」に関する部分は自戒の意味でも良かったです。
たとえ個人サイトでも、毒舌酷評は自分には向いてないのでやらないと再確認。
「違法報道」についてはちょっと弱点があったように思います。
いくら架空世界とはいえ、出版社が少年の実名を伏せないのは不自然のような。
営業的な判断にしろ、全文公開である必要性が足りなく、デメリットのほうが大きいように感じた。
「バランス主義」についてはちょっと自分の主義に通じるところもあるので、考えるところも。
けどそれ以前に、「バランス重視の中立派」が勢力拡大しちゃ駄目だろというツッコミがっ。
まぁ、結局その裏には陰謀があったと判ってすっきりしましたけどね。


とまぁ、ここまで色々書いてきましたが
あまり難しいことは考えず、郁と堂上の関係をニヤニヤ見守ればいいと思います。
とにかくオススメ。