感想
- 作者: 高野和,尾谷おさむ
- 出版社/メーカー: メディアワークス
- 発売日: 2005/05/01
- メディア: 文庫
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遅筆の作家さんの作品って評価にプラス修正かかりませんか?(極論
デビュー2年ちょいにして3冊目のこのシリーズ。特にネットで支持する人が多く、待たれていた作品です。同期の成田良悟氏と作品数を比べるのは野暮というもの。
私はこの作品を「戦記もの」として認識していたのですが、今回考えを改めました。
「空鐘」、「ゆらゆらと」などと違い、戦争が物語に必要ない世界。でも戦争が起こる世界でのお話です。
前作までは一人のお姫様に焦点が当たっていましたが、ほぼ題名の通り「七姫」の姿が描かれます。一人の目線から描かれていた世界は、多くの人物の目線を得て真に物語を語り始めたのではないでしょうか。
正直に言うと、最近のラノベとは差があると思います。萌えとかほとんどないし、派手な見せ場があるわけでもない。「面白いもの」が好きな私がここまで入れ込むのも不思議なくらい大人しい作品です。
でも、この物語の最後まで見届けたいと思うのも確かです。あとがきによれば4巻も出るそうです。楽しみが続いて嬉しい限り。
余談ですが、この巻のタイトル「姫影交差」は近年屈指のネーミングだと思います。読んでいただけたら納得してもらえるかと。